オモイニゲ
オフィスの窓
毎日変わらない景色なのに
太陽の熱の音が聞こえそうな
日の差し込みに今夏と知る
「おい、ちょっと」の声が上がる度
その仕事が回って来ない事を祈る
誰も開けたくない分厚いドアの
向こうの世界を思うことすらも
億劫な私はデスクに目を落とす
キーボードのステージ
踊る指から生まれる
白波を立てるよな夏色に
私だけの潮風を嗅ぐ
やがて聞こえる喧騒は波音に
人の声は砂浜に溶けて
私だけの夏休みが始まる…って時に
「おい、ちょっと」の声
見上げると目が合う
あなたに苦笑
現実逃避の楽しさが終わった午後2時のこと
0コメント